市街地からA6ハイウェイを45分ほど南西に下った Huon Villa から未舗装の側道に入ります。
天然高木林の構成はマツの類の巨木とユーカリ類です。
Sundy Bay のアパートメントの隣人であったピーター氏の広大な農園に到着、広大な家庭菜園といってもいいでしょう。プロの農民ではなくあくまで趣味ですが、とにかく土地を所有するという概念が我々とは全然違うようです。
リタイア前は法律関係の仕事をしていたのですが、生家は農業だったということでセミプロといったところでしょうか。
実際静岡県東部で0.5坪の耕作をコントロールするに大苦労している身からすれば、単純に凄いというほかはありません。
鶏10数羽とポニー2頭を飼育していますが、ポニーは乗馬用ではなく除草用だそうです。
日当たりの良い、暖炉のある住まいです。真夏ちょっと過ぎのタスマニア、暖炉が有難かったです。2日前に過ぎた前線が引き込んだ南極からの寒気が残っていましたので。
カボチャ、ニンニクのねぎぼうず、ズッキーニ。
マルハナバチの類、ユーカリの一種の花とミツバチ、リンゴ。
自分が猫だということを理解していないルーシー。♂なんですが本名はルシファー。天界を追い出された天使…なんでそんな名前を?交通事故にあって三本脚です。何日も行方不明の果てに這うようにして戻って来たそうです。神との戦いからの生還といったところですね。
土地が肥沃なのか、手入れが良いのかおそらく両方だと思うのですが、あらゆるものが生い茂っています。
正直草むしりがしんどいです、30分が限界ですね。腸腰筋がパッツンパツンになって腰が伸びなくなります。これだけの土地面積の雑草を退治することを想像しただけで腰大爆発必至。和歌山県色川村でオーガニック農業に取り組む義伯父曰く自然農法は虫と草との戦いである。もう完全負け戦ですね。
奥様ゲイ女史を迎えに、変な帽子を被って参加する謎のパーティーに潜入。
まったくの偶然に、明晩会う約束の旧友の元上司に会いました。底性魚類の研究者。キハダマグロの研究者にも会い、一気に水産モード突入。
タスマニアで流通するキリンビール「恵み」
写真が無くて残念ですが、夕食は自家製乾燥ミントを大量に使ったラムチョップ。オーストラリアで最も高い肉はラムです。一緒にいただいた知り合いのワイナリーが絶妙にブレンドした赤ワインも絶品でした。
翌日はHuon River を遡り、Flanklin のWooden Boat Centor に立ち寄り、トレッキングの聖地Thaune Forest Airwalk の玄関Geevestonにやってきました。
古い銀行をレストランにリニューアル、木陰でランチをいただきます。
旧友再会。そしてお別れです。短いながらも素晴らしい時間を過ごしました。また16年後に会う?70歳超えてます。
【今回の有難いマイレージ】
- Huon はフランス人探検家の名前に由来する。Huon Pine はかつて造船素材として珍重されたが、乱伐がたたって今や南西部に残るのみ。現在は伐採は禁止され特別な許可を得た業者が水没した枯樹を採取できるのみ。屋久杉のよう。ちなみにTasmania はオランダ人名に由来する。
- 「恵み」は現地生産の一番搾りである。アデレードに工場があるらしい。
- ユーカリには700種以上があるといわれ、タスマニアには36種が自生すると言われる。巨木となる種が多く、うっかり庭木に植えると根が家の基礎を持ち上げてしまうらしい。
- Thaune Forest Airwalk は市街地から90分、原生林の高木に掛けられた橋を歩く。是非訪れると良い。
【次回予告】
涙の乾く間もなく、Hobart 最大のにぎわいを見せる Salamanca Market に潜入する我等。素朴な地場産品の露天販売、なんすん長泉の直売場に似た16年前の面影を見出すことはできるのか。China Money に蚕食されんとするTasmania は果たしてその素朴さを留めることはできるのか。郷愁と退廃が入り混じる次回、待て。